ペラップの止まり木

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victory #2

トウヤは目の前の小さなポケモンに話しかけた。
「君がビクティニかい?」
そのポケモンはこたえた。
「うん、そうだよ。君たちは?」
「僕はトウヤ。こっちはツタージャのウィーン。
…あのさ、一つ聞いていい?」
トウヤはビクティニと話していてあることに気付いた。
「なに?」
「君はポケモンなのになんで人間の言葉を話せるの?」
「あー…それなら…」
そういってビクティニは辺りを見渡した。
「ほらっ、この部屋には本があるでしょう?
でもほとんど人間の言葉でかかれているんだ。
だから見ているうちに覚えたんだ。」
ビクティニは誇らしげに胸を張っている。
「そうなんだ…君すごいんだね!!」
「ふふん♪ボクは幻のポケモンなんだからこのくらい…っていっても結構時間かかったけどね。
ところで君たちは何しに来たの?」
ビクティニはトウヤに尋ねた。
「…っ!!そうだった!ビクティニ、今この島に君を捕まえて力を悪用しようとしている人たちがいるんだ!!
だから…早く逃げて!!」
「…一つ…いいかな?」
「え?」
「ボクは幻のポケモン
ここから出ても誰かに捕まるに決まってる。
外に出てもボクは自由になれない。
見世物にになる位ならボクはここにいた方がいい。
今までに何度かここに来た人もいた。
でも目的は経験値稼ぎ。
幻のポケモンだからって…でも捕まえようともしない。
誰もボクを分かってくれない。
ボクの本当の気持ち。
…でも。」
ビクティニはうつむいていたが何か思い立ったように顔をあげた。
「君は違う。
君はここに来たとき最初に『大丈夫!?』って聞いてくれた。
初めてだよ。誰かがボクを心配してくれたのは。
だから君ならいいかなって思ったんだ。
お願い!このボクを…ゲットして!!」
「え…えええーーー!?」
トウヤはビクティニの意外な発言に驚いた。
「無茶をいってるのはわかってる。
でも…でもボクはもう一度…外の世界が見たいんだ!!
だからお願い!!」
「…わかった、いいよ!」
そういってモンスターボールを取り出そうとした。
「あ!待って!!
どうせならバトルでゲットしてよ!」
「うん…ウィーン、いける?」
ウィーンは草タイプ。相手には不利なタイプだ。
「タジャ!タジャタジャタジャ!」
「え?何?」
「『大丈夫!私にタイプなんて関係ないわよ!』だってよ。」
ビクティニは戸惑うトウヤの横でそう答えた。
「…!通訳ありがとう。そうか、ポケモンだもんね。
ウィーン、頼んだよ!」
「タジャア!」
ウィーンは返事をすると前に出た。
「じゃあバトルスタートだね!!」


つづく